世界は美しくなんかない。そしてそれ故に美しい。
The world is not beautiful; therefore it is.


─ 序 ─

 深い森の中だった。背の高い樹木が生い茂り、幾重にも重なった葉の間からは、 太陽はせいぜい無数の針穴のようにしか見る事ができない。 けれどもそのぶん熱帯の日差しは強く、人が普通に生活するには充分に明るい。 時々思い出したように、蛇やワニや蟻(!?)の鳴き声が遠くから聞こえてくる。 近くで、誰かが狩りをしているのかもしれない。

 森の中には、道らしきものはなかった。ただ、樹と樹との間に、注意して見ればそれとわかる 踏みつけられた跡が続いており、何者かがときおり通過しているのだろうことがわかる。

 遠くから、蹄の音が聞こえてきた。近づいてくるにつれて、パカッパカッという馬らしい 音ではなく、バカッバカッもしくはドサッドサッとでもいうような、非常にやる気を削ぐ 蹄の音であったことに気付く。やがて樹々(きぎ)の間から、その音の主が姿を現した。

 とりあえずの自己主張であろう、全身緑色づくめで現れたのは、 おきにいいりのムーミノ(注:馬。空を飛ばない。それどころか地上を走るのも大変そうだ) にまたがったスナフキノですか?(編集部注:聞いてどうする)


 これはそのスナフキノの、「YAMATOシャードの観察者」となる野望をひそかに胸に秘め、 そのわりには毎日をヌルく過ごしている、その記録である。


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